売れっ子をテレビで見て「面白さだけは俺に負けてるよな、って思って」

「テレビ見てて、すげえ、やーってやってる人いるじゃないですか。女優さんとか友達なんですよ、とか言って。俺は何も仕事なくて家で、めっちゃ忙しいその人、一日中テレビ出てる売れっ子を見ながら、こいつかわいそうだなー、って。

 面白さだけは俺に負けてるよな、って思って。

 20いくつでそれを言ってたらただのアレなんですけど、この年になって言ってるからもう許してくれ、って思います。本当のヤバいやつですよ。売れっ子見ながら、俺のほうが面白いな、かわいそうって言って。かわいそうなのどっちだよ、みたいな。お前ずっと家いるじゃねえかって話で」

 仕事があることが、必ずしもいいことではない、と永野さんはとらえている。

「売れなくなった時って、1回ビビるんですよ。でも別に、仕事とか言うんですけど、普通の仕事したくなくて入ってきてるわけですよ、できないし。

 でもいまって、いろいろ与えていくじゃないですけど、見てる人とも一緒にいくじゃないですか。自分も仕事ガンバろうと思いました、ありがとうございました、って言われるみたいな。

 でも、それにずっと違和感があって。芸人は社会のアレなのに、そんな人が社会とつながっていいのかよ、とか思っちゃって。意地で俺だけはつながんねえぞ、って思って。

 俺だけは地獄に行こうって思って。めっちゃ怒られるっていうか、天国と地獄のチョイスの時に、お前まったく仕事しなかった、って言われたい」