大きな転機だった永六輔さんとの出会い

 長らく自分の居場所が見つからなかった外山さん。永さんのアシスタントというポジションには、うまく落ち着けたようだ。

外山「永さんとは波長が合ったんですね。人の噂で聞いたことは、自分の目で見て判断するところとか。私もそうやって育てられてきたんで、楽だったんですよ。信頼できる方だったんです」

 以来、外山さんは修行をするように永さんのもとでアシスタントを務め、人気アナウンサーとして成長していく。

外山「永さんと出会えたというのは、一番、大きな転機だったと思います。入社して3年目、いろいろなことがあって、アナウンサーとしてやっていくには私が変わらなきゃって考えていた時期に、“変わらなくていいんだよ”っていう人に会えたというのは、すごく大きかったです。そのままでいいんだっていう。

 私は自分からこういうことで悩んでいますと言ったことはないんですけど、私の表情とか話し方で、どういうことを思っているんだろうなって、永さんはたぶんわかっていたと思うんですよね。ありがたいです」

 ラジオへの愛を公言し、ラジオリスナーからは絶大な支持を得ている外山さん。その原点は、永六輔さんとの出会いにあったのだ。

TBS・外山惠理アナウンサー 撮影/三浦龍司

外山惠理(とやま・えり)
1975年東京都墨田区生まれ。慶應義塾大学を卒業後、1998年にTBSへアナウンサーとして入社。入社2年目からテレビのバラエティ番組に起用されるも、その後はラジオを中心に活躍。『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』のアシスタントを長く務める。現在は『金曜ワイドラジオTOKYO えんがわ』のパーソナリティのほか、アシスタントから街頭リポーターまで、幅広く活躍している。