松永天馬さんが「ピンチはチャンス」と語る理由
メンバーの脱退や、事務所の移籍など、周りからみたら大変なトラブルが続いたように見えたアーバンギャルドだが、本人たちはいたって前向きな姿勢だった。
浜崎「メンバーチェンジで良かったのはおおくぼけいの時だけですよ」
松永「いやいや。基本的にピンチはチャンスだと思っているんです」
浜崎「話を持っていくね」
松永「バッドニュースって、ネガティブな話にとらえられてしまうけれど、同時にすごく面白くなりそうな変化が起こるタイミングでもある。ファンにとっては今までいたメンバーが辞めたりすると、最初は受け入れたくない人のほうが多いと思う。
ライブで初めて披露した新曲も、最初から盛り上がったりしないし、浸透するのに時間がかかるじゃないですか。アーバンギャルドが、おおくぼけいの加入や、事務所の移籍も経てこれまで16年間活動を続けてこられたのは、いろんなことをやりつつも、その変化に対して攻撃的に仕掛けてきたからなのです。変化をアグレッシブに、ポジティブなものに変えてきたからなのかなって自分では思っていますね」
浜崎「転機でいうと、キーボードが解雇(※2013年9月)になったり、レコード会社も移籍したんです。その時の絶望的な気持ちで作った『ワンピース心中』(2014年・浜崎さん作曲)が自分の中でいうと起死回生の1曲になりました」
松永「バンドとしては状態が悪い時期に作られた曲だけど、アーバンギャルドの実質的な代表曲でもあるよね」
浜崎「あの曲は、ファンへの浸透の仕方も早かった。古賀学さん(※水中での撮影を数多く行っている映像作家)に撮って頂いたMVも水中に潜って刀を使ったり、そもそも私は泳げないので撮影自体も大変だったけれど、いいものができたんですよね。自分にとって『少女は二度死ぬ』も転機だと言ったのですが、『ワンピース心中』も大きな転機でしたね」
アーバンギャルドのアイコンとして圧倒的な存在感を放つ浜崎さん。その転機は、彼女の覚悟が感じられる瞬間だった。
アーバンギャルド(あーばんぎゃるど)
浜崎容子(Vocal)、松永天馬 (Vocal)、おおくぼけい (Keyboard)からなるテクノポップバンド。00年代に松永により結成。2007年に浜崎(Vocal)、2015年におおくぼ(Keyboard)が加入。結成15周年となる2023年には中野サンプラザで「アーバンギャルドのディストピア2023 SOTSUGYOSIKI」を開催。2024年2月28日にはニューアルバム『メトロスペクティブ』を発売。
■アーバンギャルド / メトロスペクティブ
(URBANGARDE / METROSPECTIVE)
初回豪華盤(CD+DVD)FBAC-207 ¥6600(税込)
通常盤(CD)FBAC-206 ¥3300(税込)
2024年2月28日(水)発売 FABTONE
既発曲「いちご黒書」「サンタクロースビジネス」に新曲10曲を加えた全12曲。アルバムは通常盤と、DVDが付属する初回豪華盤の2形態でリリース。
■アーバンギャルド presents
メトロスペクティブツアー 〜夢見るよりも夢になれ〜
ニューアルバム『メトロスペクティブ』リリースツアー。
東名阪バンド公演。さらに東京はダンサー、映像などを加えたホール特別公演!
3月9日(土)愛知・名古屋UPSET 開場18:30 開演19:00
3月10日(日)大阪・心斎橋VARON 開場18:30 開演19:00
3月17日(日)東京・神田明神ホール 開場17:15 開演18:00(特別公演)