アーバンギャルドは心の闇や古今東西のカルチャーのオマージュがちりばめられた歌詞、赤と白の水玉模様が多用される衣装など独特な世界観でリスナーを魅了している。ファンから熱烈な支持を集め、18年には10周年、23年には15周年記念公演を中野サンプラザにて開催し大成功を収めた。メンバーの脱退などを経験しながらも活動を続けてきたアーバンギャルドの転機ー「THE CHANGE」は、どのようなものだったのだろうか?【第5回/全5回】

アーバンギャルド(左からおおくぼけい、浜崎容子、松永天馬) 撮影/冨田望

 アーバンギャルドは、『鬱フェス』と呼ばれる独自色を強めた音楽フェスを開催している。『双葉社 THE CHANGE』でも、鬱フェス常連の出演者である大槻ケンヂさんが、鬱フェスでのエピソードを語っている。アイドルやバンドなど多ジャンルが出演している鬱フェスはどのようにして誕生したのだろうか。

松永「『鬱フェス』は、アーバンギャルドの世界観や、同じように心に抱えた闇を表現しているアーティストを集めたイベントをやりたいと思って2014年から始まった。その前年に事務所が企画してやっていたイベントをアーバンギャルドのコンセプトでリニューアルする形で始めたんです。

 大槻さんは『鬱くしい国』(2016年)というアルバムで、1曲参加してもらっているんです(※『戦争を知りたい子供たちfeat.大槻ケンヂ』)。その流れで、フェスにも出てもらえるようになった。筋肉少女帯だったり、オーケンギャルド名義でユニットを組んだり、色々な形で毎年出ていただいてもらっています」

――『少女元年』(2018年)のMVでは、2023年に大ブレイクをした新しい学校のリーダーズがダンスを披露しています。どのようにしてコラボが実現したのでしょうか。

松永「新しい学校のリーダーズは、めっちゃキレキレでダンスを踊っている姿に“このグループはすごく面白い!”って気になったんです。事務所の方にお話をしにいったら、MVに出てもらえることになった。しかも“ニューアルバムの歌詞に興味はありませんか?”と声をかけていただいたので、“書きます”と返答してできたのが教師と生徒の禁断の恋物語を描いた『恋ゲバ』(2019年)だったんです」

――松永さん自身のアンテナも高いのですね。

松永「新しい学校のリーダーズは、下積み期間も長い。最初のころは、すごく小さなライブハウスでライブをしていた。客層もアイドルが好きなおじさんばかりだったけれど、彼女たちはきっと令和の女の子たちに受けるグループだと思ったんです。

 自分の中で面白いと思った人にすぐ連絡を取ったり、会いに行く。今の時代はそれが可能だし、大事なことなんだと思います。飲み会も時には大事なんですけどね(笑)。僕は自分のアンテナの感度に触れたものは、すぐに話に行ったりジャケットデザインをお願いしたりしています」