15歳のデビュー以来、映画やテレビ、そして歌に踊りにと、エンターテイメントの第一線を走り続けてきた由美かおる。彼女が出会った数々のスターたちの秘話や出演した名作の舞台裏とともに、半世紀を超える芸能生活の「CHANGE」について、語ってもらった。まずは衝撃のデビュー秘話から――。(全3回/第1回)

由美かおる 撮影/小島愛子

『11PM』出演で名優・北大路欣也も「会いたい」

  私が所属した『西野バレエ団』の西野皓三先生が読売テレビの『11PM』の制作に関わっていたのがご縁で、番組の中の歌って踊るコーナーに出たんです。
 番組放送中から「あの女の子は誰?」「次はいつ出るんだ」などという電話がかかってきて、テレビ局の電話がパンクしそうになったそうです。
 このときの映像はいろいろな方がご覧になっていて、最近、北大路欣也さんにお会いしたら「あれは衝撃的でしたね。当時、ボクは読売テレビに電話して、この子に会わせてほしいと言ったんですよ」と懐かしそうに笑っていました。

 同じく、『11PM』を見て、すぐに行動を起こしたのがビッグスター、石原裕次郎だった。本人自ら由美かおるに次回作での共演をオファー。それが日活の『夜のバラを消せ』(1966年)だった。

 裕次郎さんはカッコいい兄貴という感じ。裕次郎さんとのラブシーンもありましたが、緊張感はなかったですね。