『同棲時代』で本格的な女優へと脱皮「無我夢中でした」

 撮影で一番大変だったのは、ベッドシーン。初めてだから、分からないでいると、山根成之監督が「はい、こっちを向いて。次はこっち。1、2、3、4」とバレエのカウントをとるように演技をつけてくれました。私は踊りをする感覚で、無我夢中で演じました。
 映画ポスターは今見ても衝撃的。後ろ姿とはいえ、何もつけていない状態での撮影は抵抗があって、ずいぶん悩みました。でも山根監督がメルヘンタッチに美しく撮ってくれるというので、思い切ってお任せしました。
 後で聞いたんですが、俳優の嵐寛寿郎さんが私のファンで、落語家の林家木久蔵(現・木久扇)さんと2人で自転車に乗って、ポスターをはがしてまわられたとか。それも私のヌードを、むやみやたらに人に見せてはいけないというのが理由だったそうで、そこまで思っていただけたのですから、とても光栄です。

ゆみ・かおる 1950年11月12日、京都府生まれ。中学生のときに、西野バレエ団に入団し、深夜ワイドショー『11PM』(日本テレビ系)に、西野皓三氏が企画・構成・振付をした歌と踊りで出演すると大ブレイク。世間の注目を集め、66年に石原裕次郎の相手役として映画『夜のバラを消せ』で女優デビュー。歌手としても67年のデビュー以来、ヴェネツィア国際音楽祭など、海外の音楽祭で入賞を果たすなど世界の舞台でも活躍する。多くの映画やドラマ、CMなどに出演し、代表作のドラマ『水戸黄門』(TBS系)で演じた女忍者・かげろうお銀の入浴シーンは、同ドラマの看板になった。T157-B86W58H86のスリーサイズはデビュー当時から変わらず。由美かおるが講師を務める「ブリージング(呼吸法)レッスン」などの最新情報は、https://yumikaoru.com/でチェック。CDアルバム『Jewel Box』も発売中。