結果発表は令和ロマンと激アツな展開に!

―― 2本目の「ラーメン屋」は22年の敗者復活戦からだいぶアレンジされていました。

出井 「前年の敗者復活戦を見た人もいるだろうなと思って」

楢原 「22年に決勝に行くつもりだったので、あのネタをやりたかったんです」

――早い段階で2本目は「ラーメン屋」と決めていたんですか?

楢原 「悩んではいたんですけど、一番やりたいネタをやったほうがいいかなって」

――結果発表は、令和ロマンとヤーレンズが交互に出るという激アツな展開でした。

楢原 「盛り上がりましたねぇ。最初は僕らだけがウケればいいと思っていたけど、実際に出てみると“盛り上がらなかった大会”と思われるのは嫌だなって。劇的な展開にホッとしました。もちろん優勝したかったですけどね」

出井 「大会のハイライトを作ることができたことはよかったなぁと思いました。めっちゃ悔しかったけど、僕の人生にとっても走馬灯に出てくるシーンだなと(笑)」

――準優勝という結果だけ見れば、事務所の先輩であるオードリー(08年)と同じルートです。

楢原 「M -1が盛り上がりすぎて、僕らみたいに“タレントになるよりM -1を獲りたい”という人が増えたと思うんです。でも、オードリーさんの時はM -1をステップにタレントになることが常道じゃないですか」

出井 「そもそも僕らはオードリーさんになれない。準優勝してあのくらいのスターになれるなら、今年のM -1は出ないかもしれないけど、オードリーさんは特別な存在なんです」

――おふたりはタレント性も高そうですが。

楢原 「そんなことはないんです」

出井 「明らかにタレント性が低い芸人もたくさん知っているから(笑)、僕らはそこまでタレント性がないとは思わないけど、高くもないかなと」

――松本人志さんが、楢原さんを「ガヤでもいける」と話していたんですよね。

楢原 「それがいけないんですよ。さっきも言ったように喉が弱いから、声を張ることができない。ボソボソとしゃべったことが副音声で使われたらラッキーくらいの感覚なんです」

――楢原さんの変わった人間性にもスポットが当たりそうです。

出井 「親に勧められて芸人になった人で、お笑いにポリシーがないからいつ辞めてもおかしくない。そんな状態で12年も続けていることがすごいと思います。継続する能力が高いけど、お笑い以外はTポイントを18000くらい貯めていたり、『ラヴィット!』(TBS系)の感想を2年間にわたって毎日ツイートしたり、無駄なことだけ続けているんです」

楢原 「まったく身にならないし、なんのためにやっているのかわからないことは継続できるんです。これといった趣味もないので」

出井 「“昨日、何してた?”と聞くと、“クッションに座って眠たくなるのを待ってた”って。お金も使わないんです」

楢原 「親から仕送りをもらっていたけど、口座から減らないので止められました。後輩に使おうと思っているんですけど、誰も慕ってこない」

出井 「そういうところも明かされていくと面白くなると思います」

楢原 「バレた瞬間に離れていくかもしれない」

出井 「大丈夫でしょ。漫才している姿を見ているだけで、普通の人は“異常だな”と察するから」

楢原 「そんな悲しみを背負って漫才をしています」