ドラマ制作の大変さを身をもって経験した

 探索は図書館にも及び、「数年前の作品でもいいから、見逃されてまだドラマになっていないものはないか、いかにもドラマになりそうなものはないか」と血眼になっていたという。1か月の報酬1万2千円は、書籍代と交通費代で瞬く間に消えたが、いたって前向きだった。

「その1万2千円が、なんだか“初めてもらったお金”みたいな感覚で、”私、すごい仕事をしているんだ”と思ったんです。久しぶりに手帳を買って、いろいろと書き込んだりすることも嬉しかったですし、すごくエンターテインメントの勉強になりましたね。こういうことを1年半くらいやっていたから」

ーー1年半! 結構な長期間ですね。

「そうですね。TBSだけじゃなく、NHKにもフジテレビにも出していたので。同時に文章も書いていたので、本当に勉強になったと思います。いま振り返ると、結局、ドラマ化まで持っていけたものはほとんどなかったんですよね。原作者NGが出たこともありました」

ーー最近はドラマ制作においてさまざまな問題点が浮き彫りになりましたが、ドラマを作るのも、本当に大変な作業ですね。 

「そう。だから、どちらの立場もすごく分かるなと思います。企画が上がってもなかなかドラマにならないんですよね。事件系だと、当時はバラバラ殺人などの凄惨(せいさん)な殺人の放送がNGで、“押したら倒れて、たまたま頭を打って死んだ”とかが良くて。
だからもしかしたら、Netflixとか(配信)もある、いまのほうが自由なのかもしれませんね。あとは、沖縄や北海道など(遠方)が舞台の作品は予算がかかるからダメとか、面白いなあと思いましたね。勉強になりました」