サードオピニオンを聞いた後「10人以上」に

 だから、その本体がどこにいて、どんな種類かわからないから、抗がん剤とか放射線とか手術とかで本体への攻撃ができないんですよ。タチが悪いっていうか困っちゃうの。 いじれるのは免疫細胞だけなんですね。ただ、免疫細胞をオプジーボで泥を取り除いて強くするっていうのと、血液免疫療法で免疫細胞の数を増やす。数を増やして強くするっていうのしか、今のところ手がないんです。

――でも、がんとわかって治療を始めるときに、サードオピニオンまで受けられて、すべての医者から「このままだともう桜も見られない」といった告知をされたと聞きました。でも、もう桜も開花しましたし、医者たちの診断を見事、くつがえしましたね。

 そうですね。結果論ですが、おそらく、すい臓がんじゃなかったので、間違った抗がん剤を打ってしまったんですけど、誤診だとは思ってません。なんでかというと、サードオピニオンを聞いた後、実はその後、10人以上のお医者さんに聞いたんですよ。

――サードオピニオン以降に10人以上というと、全部で13人ですか。

 わりとしぶといでしょ。当時のデータをもとに「どうですか?」って聞くと、全員が同じ結論に。一人の例外もないんです。だから、そのときの判断としては正しかったんだけど、その後、出てきた血液パネル検査のデータを見ると、どうやら違うみたいだったんです。

――それは、森永さんが諦めなかったから、別の結論にたどりつけたということですよね。13人の医師の話を聞いても諦めずに、さらに新たな検査を受けた。

 諦めたらおしまいなんで。お医者さんの中には、免疫の3割は精神的なもんだって言う人もいるんです。もうダメだって思ったら、本当にダメになっちゃうんです。

――前向きな明るい心に、免疫アップの効果があるということですね。

 ただ、今後はどうなるかわかんないんです。戦力は今、拮抗した状態で、ちょっとでもがん細胞のほうが強くなると、一気になだれ現象を起こす。だから、関ヶ原の合戦をやっているような状態。

――なるほど。小早川秀秋が裏切ったら、一気に劣勢になってしまうということでしょうか。ちなみに、お食事は最近、どんな感じなんでしょうか? 一時は、あまり食べられていなかったという話も耳にします。