音楽業界と出版業界、それぞれのデジタル事情
翔吾「出版業界でいうと、電子書籍の伸びが去年で頭打ちになったんですよ。ただ、オーディオブックが結構売れてる。売り上げ、ばかにならんよなあ、あれ?」
昌弘「そうです、そうです」
翔吾「オーディオブックは、ある程度売れてる本じゃないと作ってもらえないっていうのがあるんだけどね。ただ……内訳的には多い。あれ、1冊4000円くらいするんですよ。その値段でも買う人がいるっていうのがスゴい」
昌弘「オーディオブックのサブスクもありますし、聴き放題で楽しまれている方が結構多いみたい。でも、歴史小説なら耳で聴いてある程度わかるじゃないですか。推理小説って、見取り図がないのに、朗読だけでわかるのかなっていうのは思うんですけど」
翔吾「ゴーグルみたいなのを掛けると、歩いていったら目の前で事件が起こって、キャー! みたいなのがあればいいのにね(笑)。そしたら、歴史小説でも、侍が襲ってきて戦うとかできそう」
昌弘「音楽でサブスクが浸透すると、若い人が思いがけずに昔の曲を聴いてくれた、みたいなことがありそうですよね」
川西「今は検索すればいくらでも曲が出てくるからね。でもね……僕は本はやっぱり紙で読みたい派なんだよね。もちろん電子書籍でサクッと読みたいっていうときもあるんだろうけど。昌弘さんの『明智恭介 最初でも最後でもない事件』は電子書籍だけでしょ? 昌弘さんの本は全部読んだんだけど、これだけ電子書籍だから、ホント何年かぶりにポチってしたよ」
昌弘「それは4~5年前に雑誌に掲載された作品で、僕がなかなか続きを書かないから単行本にはなっていないんですよ」