元SMAPのメンバーの話でもあるけれど…
テレビを見る家庭が今、すごく少なくなっていると思うんですけど、面白い番組の裏には、面白いものに熱狂して、人並外れて取り組んでいる“熱狂人”がいることを知ってほしかったんですね。
『もう明日~』『最後の~』は、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』とか『プロジェクトⅩ~挑戦者たち~』みたいなものだと思っているんです。元SMAPのメンバーの話でもあるけれど、僕とかチームの話でもあって、絶対不可能なことや絶対無理なことに立ち向かっていく、さきほど映画『アルマゲドン』って言いましたけど、これは、不可能に立ち向かうプロの男の話だと思っているので、これを読んで胸が熱くなってほしいなと思います。
昔、SMAPを見ていた女性ファンの方はもちろんなんですけど、40~50代の男の人に、仲間の話と思って読んでほしいなと思います。こんな仲間が欲しいと思っている人、結構いるんじゃないかなと思ってるんです。
――本の中には、ものすごいテレビ人が数多く登場しますが、その中でも、すごいな~と思った人はいますか?
そこに書いてある人たちは全員すごいので、甲乙つけがたいですね。だって、みんな、おかしいんですよ。ナスD(テレビ朝日・友寄隆英氏 『ナスD大冒険TV』他)もそうだし、飛鳥さん(元フジテレビ 片岡飛鳥氏 『めちゃ×2イケてるッ!』他)も、阿部さん(TBS 阿部龍二郎氏『中居正広の金スマ』他)も、『¥マネーの虎』などを作った栗原さん(日本テレビ 栗原甚氏)もそうだし、本当にすごいんですよね。
高橋利之さん(日本テレビ 『行列のできる法律相談所』他)は『最後のテレビ論』を読んでくれて「感動した」って電話をくれたんです。本の最後で僕は「テレビはネットに対して白旗あげたほうが楽だ」って言ってるんですけど、トシさんはその部分について言及されて「おさむくん、僕は周りから見て、どう見ても負けていると思われているかもしれないけど、最後までギブアップしないからね」って言ってくるんですよ。すごい強靭だなと思って。
でも、それがテレビ人だなと思って、僕はかっこいいなと思うんですよね。読んだ皆さんにも、そう思ってもらえたとしたら、書いて良かったなって本当に思います。
すずき・おさむプロフィール
1972年4月25日、千葉県生まれ。19歳のときに放送作家になり、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出す。2024年3月31日に、放送作家を引退。著書に『仕事の辞め方』(幻冬舎)、そして大ヒット中の『もう明日が待っている』『最後のテレビ論』(共に文藝春秋)などがある。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業(急成長をする組織、会社)の若者たちの応援を始めており、コンサル、講演なども行う。