「これを撮るために来た」黒柳徹子が内戦地で発した一言

 86年テレビ朝日に入社。情報番組などを制作していた敦子さんは、1994年にユニセフの特番で黒柳徹子(89)とアフリカ・ルワンダをロケで訪れる。そこで敦子さんに「THE CHANGE」が起きる。

「ルワンダに難民キャンプの取材に行ったら、フツ族によるツチ族への大量虐殺に遭遇してしまいました。“どうしますか黒柳さん、現場に行きますか”と聞いたら、“行く”というので現地におもむくと、ナタとかで切断されていてあまりに残虐な遺体が転がっている。周囲には異臭も立ち込めていました。

 あまりのことに、カメラアシスタントが“撮影できない”と言い始めたんです。“死んだ人たちが可哀想だ。とても撮れないからやめましょう”って。カメラマンも“できれば撮影をやめたい”と言い出す始末。

 そしたら徹子さんが怒りました。“何のためにここに来たと思ってるんだ。これを撮るために導かれてここに来たのよ。だからこれを撮ってしっかり放送しなきゃいけない”そう徹子さんに言われたときに私は“ああ、腹を据えて取材をしなきゃいけないな”と思ったんです」

 そのころ、敦子さんは「いずれは情報番組からバラエティかドラマに転向したい」と考えている最中だった。