『半分、青い。』から『マイ・ブロークン・マリコ』へ

『半分、青い。』が放送されたのは、2018年の4月から。奈緒さんにとって、3度目の朝ドラオーディションの挑戦で掴んだ出演だった。

「自分の進む方向が広がったのを感じました。それに、ドラマの現場であれだけ長い時間、そして永野芽郁ちゃんが真ん中に立って大変ななか、ひとつの作品を背負う作品を見ていたことも含めて大きなものでした」

 朝ドラで親友役を演じた奈緒さんと永野さんだが、そこで特別な絆を築いたことはふたりとも公言している。4年後、ふたたび映画『マイ・ブロークン・マリコ』で親友同士を演じたが、その際にも互いに大切な存在であり続けていることを明かしている。さらに、永野さんだけでなく、ほかのキャストやスタッフたちとの出会いも大きかったと振り返る。

奈緒 撮影/冨田望

「出会いは一期一会のものですから。そのときに誰と出会うかによって、物事の感じ方も全然違います。芽郁ちゃんと出会えたことはもちろんのこと、そこには先輩たちもいて、いろんな人の背中を見ながら、自分の役とも向き合っていきました。その場にいた誰かひとりが違っただけで、全く違ったものになっていたと思います。

 スタッフさんも含めて、あのチームだったからこそ、自分の中に生まれたものや乗り越えられたこと、支えられた部分がありました。長い時間をかけて、そういったことを体験していけたことは、自分のなかで、すごく大きかったと思います」

 その後、仕事のオファーが増えたというだけでなく、演技の力も縁も、それを自分のものとし繋げていけたのは、俳優・奈緒さんが朝ドラでの吸収を自らの大きな礎とできているからだろう。

なお
1995年2月10日生まれ、福岡県出身。高校1年生のときに地元でモデル事務所に所属。地元のテレビ番組やドラマに出演ののち、2015年に上京した。2018年、連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインの親友役で好評を博す。翌年に連続ドラマ『のの湯』で初主演を果たし、『あなたの番です』で第102回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞した。主な映画出演作に『事故物件 恐い間取り』『みをつくし料理帖』『余命10年』『マイ・ブロークン・マリコ』『陰陽師0』など。現在、映画『告白 コンフェッション』が公開中、およびドラマ『演じ屋 Re:act』が放送・配信スタート。映画『先生の白い嘘』『傲慢と善良』が控える。

作品情報
映画『告白 コンフェッション』
監督:山下敦弘
原作:原作:福本伸行、作画:かわぐちかいじ
脚本:幸修司、高田亮
音楽:宅見将典
主題歌:マキシマム ザ ホルモン
出演:生田斗真、ヤン・イクチュン、奈緒
(C) 2024 福本伸行・かわぐちかいじ/講談社/『告白 コンフェッション』製作委員会
配給:ギャガ
5月31日より全国公開