人生のターニングポイントが「自身が生まれたこと」と語る理由

 そんな森崎さんに今後の目標を聞いてみると、スケールが大きく、ワクワクするような話が飛び出した。

「自分がプロデューサーも務める、長編ミュージカル映画を作ってみたいですね。それも決して海外的なものではなく、日本オリジナルな作品をやってみたいです。一緒に作るチームメンバーも集めていって。実はその第一歩として、短編のミュージカル映画の監督をしてみたんです。難しかったですが、“プロのスタッフの方に協力していただければ十分にできる”という確信はつかめました」

 その短編映画は、WOWOWが開局30周年を記念して行ったプロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』の一本として公開され、高い評価を受けた。森崎さんはミュージカル映画の夢についてさらに語る。

「本格的に長編を作るとなったら、やっぱり俳優さんのスケジュールは舞台のように2か月、3か月くらいは押えて、“ここワンカットでいきたいから、みんなで稽古をしましょう”ということができる時間を作らなきゃいけない。そうなると予算的にも大きくなるから、例えば賀来賢人さんがドラマ『忍びの家』をプロデュースされたように、世界的な映像配信企業に制作を手伝っていただくようなことも考えていきたいですね。いままでにないからこそ、やってみたいと思っています」

 そう目標を語った森崎さんからは、ただ楽しく夢を語っているというのではなく、絶対に実現させるんだという強い意気込みを感じた。

 最後に、これまでの人生で一番大きなターニングポイントとなった出来事について聞いてみると、実に森崎さんらしい答えが返ってきた。

「僕が生まれたことじゃないですかね。それ以外ないかもしれない。もちろん他にも言い出したらキリがないくらい転機はたくさんあったと思いますけどね。でも僕が生まれる前、親はたくさん苦労していたようなので、そういう状況の中で“よくぞ産んでくれた!”って思います(笑)。こんなに迷いなく生まれてきたことへの感謝を言えたのは、初めてって感じがしますね……」

 そう言って照れた森崎さんは、これからも「生まれてきたこと」に感謝をしながら、俳優として多くの素晴らしい変化「THE CHANGE」と、魅力を私たちに見せ続けてくれるだろう。

森崎ウィン(もりさき・うぃん)
1990年8月20日生まれ、ミャンマー出身。’18年公開のハリウッド超大作『レディ・プレイヤー1』で主要キャストを演じ、一躍脚光を浴びる。‘20年に映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。同年、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演を務める。近年はNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演するなど映画、ドラマ、舞台で幅広く活躍。7月15日に開催される『ミュージカルは最強です!2024』では、昨年に引き続きコントにも挑戦する。

『ミュージカルは最強です!2024 ~お笑いチャンプと頂上決戦~』Presented by WOWOWプラス

’23年に話題を呼んだ異色のミュージカルエンターテイメントショーが今年も開催決定。他で見る事の出来ない「コント&ミュージカル」がコンセプトとなっており、人気のミュージカル俳優たちが、本気で笑わせ、本音でしゃべり、本粋のライブをお届けする。

【日時】2024年7月15日(月・祝)15:15開場/16:00開演
【会場】LINE CUBE SHIBUYA
【出演】ホスト:中川晃教
城田 優/LE VELVETS/森崎ウィン/唯月ふうか
コントゲスト:サルゴリラ/紅しょうが
【公式サイト】:https://www.wowowplus.jp/entertainment/musicalsaikyo/