ハワイが苦手な理由は……

――唐さんも興味ないだろうとのお話でしたが、ハワイ、そんなにお嫌いなんですか?(苦笑)

「あの遊園地感がダメなんですよね。自分には合わないです。かといって、自然の暮らしとかも全然ダメです。いろんな国に行きましたけどね。以前、ドキュメンタリーでパプアニューギニアの山奥に2週間くらい住んだんです(『所さんの世界ビックリ村 4』)。もう最悪でした」

――(笑)。

「ほんと、キャンプとか無理ですね。パプアニューギニアは、ほんと早く帰りたかった」

 休みたいと言わず、常に店を開けているという大鶴さん。今の大鶴さんも、おそらく芝居の稽古場や舞台に上がっていくとき、水を得た魚のように違いない。

大鶴義丹 撮影/冨田望

おおつる・ぎたん
 1968年4月24日生まれ、東京都出身。父は劇作家、演出家、俳優、芥川賞作家の唐十郎。母は舞台女優でNHK大河ドラマ『黄金の日日』やドラマ『3年B組金八先生』第4シリーズでも知られた李麗仙。大学在学中の88年、主演映画『首都高速トライアル』にて本格デビューした。90年に『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。94年『東京亜熱帯』(福武書店)や11年『その役、あて書き』(扶桑社)、22年『女優』(集英社)などを執筆。

 95年には『となりのボブ・マーリィ』で映画監督デビュー。企画・脚本・監督として09年『前橋ビジュアル系』や11年『キリン POINT OF NO RETURN!』など多くの作品を手掛ける。

 90年代には特に映像作品で活躍。映画『湾岸ミッドナイト』シリーズの主演を務め、ドラマ『逢いたい時にあなたはいない…』や『悪魔のKISS』などで人気を集めた。2000年台以降は舞台にも活躍の場を広げ、2014年から参加の劇団「新宿梁山泊」では父・唐十郎の戯曲に挑戦している。ここ数年、さらに舞台出演が増え、昨年6作品、今年は10作品に出演予定。最新舞台は『リア王2024』。

●作品情報
舞台『リア王2024』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志(白水社刊)
上演台本・演出:横内正
出演:横内正、一色采子、大沢逸美、浜崎香帆、大鶴義丹、松村雄基、三浦浩一
主催・企画・製作:T.Y.プロモーション
2024年8月29日(木)~9月2日(月)全6回公演 三越劇場