◼︎政治の世界って、相撲界とよく似ている

 仲良しの寺尾関(故・錣山親方)には、「なんで早く相談してくれなかったんだよ!」と怒られましたけどね(笑)。それほど、時間がない中での戦いでした。

 衆議院議員としては、文教委員会や厚生委員会等に所属して、教育改革案や医療関係の年金介護保険の業務等に携わりました。

 政治の世界って、相撲界とよく似ているんですよ。出身地や上下関係や人間関係を大切にする力士生活が生きました。

 党や派閥を超えて、野中広務先生(元自治大臣・自民党)、草川昭三先生(公明党)、太田昭宏先生(現公明党常任顧問)のお三方には、政治家としての考え方を教えていただきました。

 たいへんお世話になり、政治だけに留まらず、人生の勉強もさせていただきました。

 議員を務めていた3年8か月は、毎日が実戦、行動、勉強。次の選挙へのお誘いもいただいていたのですが、国会から少し離れた立場で政治に関わっていこうと思い、議員生活から退くことにしました。

 今は、前衆議院常任理事を務めさせいただいています。

 相撲界に改めて目を向けますと、ここ数年は何回目かの「相撲ブーム」に湧いていて、1月の初場所も入場券が完売したと聞きます。

 ブームは喜ばしいことですが、相撲には日本のルーツが詰まっています。私も先人たちが残してきた教えを学びながら、一生懸命、生きてきました。

 そして、相撲以外でも、今まで知り合った方々から多くのことを学びました。改めて、皆様に感謝を申し上げたいと思います。

旭道山和泰(きょくどうざん・かずやす)
1964年10月14日生まれ。鹿児島県徳之島町出身。中学卒業後の80年夏場所、大島部屋から初土俵を踏む。88年名古屋場所、新十両昇進。89年初場所、新入幕。92年秋場所、新三役昇進。180センチ、107キロの小兵ながら、鋭い張り手などを武器に人気を集めた。96年秋場所後の10月、新進党から衆議院総選挙に出馬し、比例近畿ブロックで当選。髷を付けたまま、国会議員として登院した。3年8か月の衆議院議員活動の後は、「ABEMA大相撲LIVE」で大相撲解説を務めるなど、多方面で活躍中。