インパクトのある作風と出で立ちで、90年代カルチャーシーンでひと際異彩を放った詩人・三代目魚武濱田成夫さん。その存在感はいまも揺らぐことなく、今年2月には8年ぶりに最新詩集を上梓した。すれ違う人の目を根こそぎ奪っていくという、かつてない撮影中に聞いた、魚武さんのTHE CHANGEとは。【第1回/全3回】

三代目魚武濱田成夫 撮影/有坂政晴

「年齢? いま61やっけ? 62やったかな。たぶんそれくらいなんですけど。自分の年もどうでもええというか、興味なくて」

 そう言いながら笑うのは、詩人の三代目魚武濱田成夫さん。トレードマークの重厚な詩戦闘コート(※本人の詩や絵などが刺繍やペインティングされた自作のコート)を羽織り撮影していると、通りがかる人全員が二度見する。存在感が並外れている。

 そんな本人と比例するように、「何年ぶりだか、ちゃんとわかってない」のだという2月10日に上梓したばかりの最新詩集『誰かと同じで素晴らしいぐらいなら誰ともちがって素晴らしくないほうが千倍かっこええやんけ』は、分厚く重く、集録詩220篇448ページという超大作だ。

 最後の詩集はおそらく、2016年8月に出版した『俺は今日も好きなように生きてみる。』。実に約8年ぶりとなるが、作品を出さなかったこと、メディアへの露出がすくなくなっていた理由について「キャラ的に、あまり言いたくないというか、似合わないんですが、両親の介護をせなアカンようになって、やってました。あと、メディア露出は気分というか、昔から出たかったら出るし、出たくない気分時は出ないという感じです」