直江喜一との共演が実現できたワケ
「河崎監督から相談を受けたんです。“直江さんにも出てもらえないでしょうか”って。僕は直江さんじゃなくて“優(まさる)”って役名で呼んでいるんですが、今でも飲み会でたまに会っていたりしていたので、すぐに連絡したら快諾してくれたんです。実際は2つ上だけど、そんなこと関係ない感じで同級生みたいなものなので、僕も安心して演じることが出来たんでしょうね」
椎名は元サッカー部の元サッカー部のキャプテンで、クライマックスでは千本シュートに挑む。
「僕は子供の頃は野球少年だったのでサッカーはやったことなかったんです。だから、実際にサッカーをされたことのある人から教えてもらったんですが、そのための練習を特別に設けることはなく、ほぼぶっつけ本番でした。ただ、撮影が終わった数日後に左膝が痛み出して、3か月ぐらい通院しました(苦笑)。頭……脳では色々な変換やシミュレーションは出来たんですけど、やっぱりそれに体はついてこなかった。体だけは嘘つけないなってことを改めて感じさせられました。まさに還暦って感じですね」

本作は60年代~80年代に掛けて放映された『東宝青春学園シリーズ』、『金八先生』、『スクール☆ウォーズ』などといった青春学園ドラマにリスペクトを込めた作品である。
「映画を見ると“このシーンはあのドラマのオマージュだな”っていう発見があると思うんです。2度、3度と見返すとよく分かりますよ。河崎監督らしいラストの大どんでん返しというかサプライズも含めて監督の好きなものがいっぱい詰まったおもちゃ箱みたいな映画に仕上がっているなって、試写で観た時に思いました」
自身も還暦を過ぎ、芸能生活も40年以上送っているひかるさんだが、そもそものデビューのきっかけは、お姉さんが某大手芸能事務所に履歴書を送ったことだった。
(つづく)
ひかる一平(ひかる・いっぺい)
1964年5月11日、東京都生まれ。O型。1980年、ドラマ『3年B組金八先生』第2シリーズで俳優デビュー。翌年には『青空オンリー・ユー』で歌手デビューを果たす。以降、『必殺仕事人』シリーズ(Ⅲ~Ⅳ)、NHK大河『武田信玄』(88年)、『水戸黄門』シリーズなどのドラマや、『必殺!THE HISSATSU』(81年)、『胸騒ぎの放課後』(82年)などの映画に出演。現在は俳優業と一線を画し、芸能プロダクション「株式会社スカイアイ・プロデュース」の代表取締役社長と東邦音楽大学講師を務めている。
映画『還暦高校生』
出演:ひかる一平 直江喜一 石田泰誠 戸苅ニコル沙羅 森井信好 長谷摩美 笑福亭鶴光 古谷敏
脚本:小野峻志 河崎実
監督:河崎実
6月27日(金)より東京・池袋HUMAXシネマズ、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか全国ロードショー
配給:株式会社フリック
(c)ロングキャニオン2025
公式サイト: https://kanreki-movie.com/