弱冠13歳でデビューし、伸びやかで卓越した歌声によって、センセーションを巻き起こしたクリスタル・ケイさんが活動25周年を迎えた。ハートウォームなラブソング『恋におちたら』をはじめ数多くのヒットを放ち、近年はブロードウェイミュージカルにも出演。音楽活動で培った演技力は、読売演劇⼤賞の優秀⼥優賞を授かるなど、高く評価されている。
 いつも笑顔でハッピーなオーラをまとうクリスタルさんだが、人知れず悩んだ時期もあったとか。本インタビューでは、これまであまり語られなかったであろう彼女の素顔と“THE CHANGE”を深掘りしていく!【第3回/全5回】

Crystal Kay 撮影/冨田望

 1999年にデビューして依頼、豊かな表現力を請われてテレビドラマや映画、アニメなどの大型タイアップが次々と舞い込み、名曲やヒットを歌ってきたクリスタル・ケイさん。そのキャリアは順風満帆そのものに見ええるが、当の本人は行き詰まりや不安を感じていたそう。漠然とした息苦しさから飛び出すため、人生最大の「THE CHANGE」となるアクションを起こした。

「2013年、単身ニューヨークに行くことを決めましたが、それが私の人生最大の“THE CHANGE”です。もともとは自分のルーツでもあるアメリカで、音楽的な挑戦をしたい、成功をつかみたいと思って渡米しました。それまでの私は、ずっと平和で暮らしやすいSAFEな場所にいたので、大きな決断でしたし、自分を見つめなおすかけがえのない時間になりました。
 年齢的にも27歳だったので、“この先、どうしたらいいの? わかんない”みたいな感じで。人生の迷子になっていたんだと思います。そこから抜け出すため、ニューヨークに飛び出したはいいけど、たったひとりきり。もちろん、怖さもありました。
 現地では、音楽プロデューサーの方々と会っては、何十曲もデモ音源を作っていくという作業を繰り返しました。ボイストレーナーについてもらいトレーニングもしたし、ミュージカルなどを見てインプットをたくさんするなど音楽漬けの日々を送りました。当初は3か月で帰国する予定でしたが、すぐに結果が出せるような世界ではないから、滞在が半年に延び、さらに1年が過ぎ、いつの間にか1年半がたって……というように、どんどん日々は過ぎていきました」