人工芝のゴムチップ問題「なかなか話が進まなかった。だから、僕らが自分たちでグラウンドを作って…」

 岡崎が目指す変革はピッチ上のサッカーにとどまらない。環境という面にも目を向けている。

「スポーツ+環境への配慮についても、ヨーロッパが進んでいます。バサラ兵庫ではグラウンドの事業もやっているんですが、けっこう注目されています」

 バサラ兵庫では、オランダの技術を活用して、グラウンドの下に雨水を貯水し、それを使ってピッチを濡らすシステムを導入している。

「ヨーロッパでは、人工芝のゴムチップが環境に良くないと言われてまして、その対策として、この技術が導入されています。4年前に、この技術を日本に入れようとしたんですが、なかなか話が進まなかった。だから、僕らが自分たちでグラウンドを作って、システムそのものを入れました」

ベルギー1部シント=トロイデンでの現役最後の試合。雨が降りしきる中、全力で駆けた。膝のテーピングが痛々しい。撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 実証実験の結果は明らかだった。通常70℃や60℃にもなる人工芝のピッチ温度が、40℃や30℃ほどまで下がったのだ。現在、このシステムが兵庫県の3校に、県のプログラムとして導入されている。

「スポーツに関する施設が作られたことで、環境を悪くした可能性もある。一方で、オランダでは、スポーツ施設に新しい技術やシステムを導入することによって環境が良くなったケースもあります。今後、スポーツで環境を良くすることができるなら、積極的にかかわっていきたいと思っています」