笑えない酒乱を出さないと決めていたみたいです

古谷陸さん 撮影/三浦龍司

山内「打ち合わせに混ざることもあったんですか?」

「いえ、酔っぱらいの相手ってめんどうじゃないですか(笑)。編集さんと2人で顔を真っ赤にして盛り上がっているから」

山内「お酒くさかったりしてね。それでお酒を嫌いになる人もいるじゃないですか」

「それは全然! 単純な絡み酒程度ですし、酔っ払うと寝るタイプでした。泥酔もしないですしね」

山内「やっぱりそのへんに品を感じますね。漫画も酒乱が出てこないじゃないですか」

「笑えない酒乱を出さないと決めていたみたいですね」

山内「なるほど。酔うためのお酒ではなく、味や背景の描写に特化していたんですね」

 一方で山内さんが日本酒に出会ったのは、22歳のとき。それは、ふいに訪れた。