年間800本、映画を観まくる!

 何かをやろうと思うと、とことんやるという石川さん。それはコレクションだけではない。40歳のときに「最近本読んでないな」と思い、1日1冊本を読むというチャレンジを5年続けたという。だが、毎日1冊読んでも5年間で2000冊にも至らない。人間って、そんなに本も読めないもんだなと思ったと笑う。

「コロナ禍で仕事がなくなったときは、家にいることが増えました。それで家にいても何かできることないかなと考えたとき、“そういえば、自分の人生あんまり人より映画を観てこなかったな”と思ったんです。その時に妻がAmazonプライムに入って、暇な時間にちょっとチャレンジして映画を観まくろうかって言って、ひたすら映画を観たんです。

 最初の年は400本。でもまだコロナ終わらないから、もうだんだんやけになってきて、去年は年間で800本も観ました。もう、どれだけ観られるかチャレンジしてみようみたいなのが自分の中であったんです。別にそれが何になるわけでもない、観たらすぐ忘れちゃうから大して為にもなってない。それですごい映画に詳しくなったかっていうと、そんなこともない。そういうくだらない自己チャレンジが好きなんですよね(笑)。

 そういう自己チャレンジみたいなことは別にお金になるわけじゃない。でも、始めたらやめない。たとえば、1999年からホームページを毎日更新していて、もう24年になります」

 いろんな楽しみを全部享受したいと語る石川さんは、キラキラと目を輝かせながら少年のような笑顔を見せた。そしておもむろに着ていたTシャツを脱ぎ、トレードマークのランニングシャツ姿になった。写真撮影用に下に着こんでいたのだ。旺盛なサービス精神に頭が下がる。 

■石川浩司(いしかわこうじ)
1984年に知久寿焼、柳原幼一郎と「たま」を結成。担当パーカッション。86年に滝本晃司が加わり4人体制となり、89年のイカ天出演を機に90年にメジャーデビュー。オリコン初登場1位、紅白歌合戦出場など、快進撃を遂げる。2003年の「たま」解散後も精力的に音楽活動を続け、2021年に還暦を迎えた。2023年3月、2004年にぴあから出版された『「たま」という船に乗っていた』の増補改訂版が双葉社から刊行。webアクションにて漫画『「たま」という船に乗っていた』(原作担当/漫画・原田高夕己)を連載中