◼︎天海祐希の今後「キントリが終わったからこそ、また新たにチャレンジできることもある」

田中「僕にとって一番大きかったのは、18歳で東京に出てきたことですね。その時は役者を目指したわけではなくて、ベースを弾いていたので、音楽関係に行こうと思っていたんです。だけど、上京してみたら自分の下手さに気づいたんです。

 うまい人はたくさんいたし、“ピックじゃないんだ、指で弾くんだ!”と思ってやってみたら全然ダメで、“よし、ミュージシャンはあきらめよう”と思いました。当時はバイトもいろいろやっていましたが、大学生が楽しそうだったので、僕もとりあえず大学に行こうと思い、受かったのが日本大学藝術学部の演劇学科だけだったんです」

–––その後、蜷川幸雄さんや串田和美さん、岩松了さんといった名だたる演出家の作品に出演し、舞台俳優として着実に活躍の場を広げられました。

田中「そこまでくるともう後には引けず、自分が役者に向いているか向いていないかも分からないけど、そのまま続けてきて今があるという感じです」

–––お三方とも、舞台出身という共通点があるんですね。さて、キントリが今回でフィナーレを迎えるということですが、俳優として、今後の展望をお聞かせください。

天海「キントリがあったからこそ、ここにいられるのはもちろんですが、キントリが終わったからこそ、また新たにチャレンジできることもあると思っています。いつかまた大変な思いをすることもあるかもしれないけど、私はそれを経験しないとお客様に見ていただくのは失礼なんじゃないかと思うんです。なので、これからもそこから逃げずに、お仕事を続けていける人間でありたいなと思っています」

石丸「僕は今年60歳になったのですが、60歳というと還暦と言って皆さんが一つの節目にされている年齢です。“じゃあ、この節目で何をしようかな”と思った時に、これからは若い人たちに自分の持っているものを渡していく期間が始まるんだなと考えています。今は現場に行くと、だいたい自分よりも年下の方たちがいるので、その人たちのために何か役に立つようなことをしたいという思いが一つあります」