芸人・板倉俊之の独特な世界観は多くの人から支持されている。お笑いコンビ・インパルスで極上のコントを生み出してきた才能は小説家としても花開き、小説デビュー作の『トリガー』は各方面から絶賛。6冊の作品を世に送り出した。開設した自身のYoutubeチャンネルも人気を博している板倉さんにとっての重要な変化「THE CHANGE」とはなんだったのだろうか?【第2回/全5回】

板倉俊之 撮影/片岡壮太

 板倉さん初のエッセイ集『屋上とライフル』(飛鳥新社)。コンテンツ共有サイト「note」に書きつづっていた文書をまとめたこの本は、お笑い芸人、そして小説家という、今までのイメージを更新し、新たな板倉さんに出会える本となっている。

「最初は全く出版することは考えてなかったんですよ。せっかく小説を何作も書いて文章を書けるようになったっていうことと、お笑いの本を書いてなかったので、面白エピソードみたいなものを文章で表現できるかどうか、って挑戦してみようと思ったんですよね。

 そんな感じで始めたんですけど、趣味でやってるわりにはかなり時間を使っちゃってたから“まずいな”と思ってたんですよ。それでそろそろ辞めようかなと思っていたんですけど、書籍化の話が来たんで“じゃあもうちょっと頑張ろう”と思い直したんです。でも、そうはいっても急いで作ってうまくいくものでもないから、ネタが浮かんだら書くみたいな感じでやっていました」

 この『屋上とライフル』は子供時代の思い出や、世にあふれる気になる言葉、さらには自分の趣味にまつわる驚きのエピソードなど、そのネタが実に多岐にわたる。板倉さんはそれらの多彩なネタをどのように拾ってくるのだろうか。