宝塚歌劇団・宙組の初代トップスターを務め、退団後も唯一無二の歌声で聴き手を魅了し続ける姿月あさとさん。結婚と海外生活を経て、ドラマチックな出会いも経験した彼女は、歌謡曲からミュージカルまで自在に歌ってきた。音楽そして人との出会いで、経験してきたCHANGEを聞いた。【第1回/全2回】
取材中はゆっくり言葉を噛みしめながら話していた姿月さんだが、撮影になるとすぐにキリっとした、スターの表情を見せてくれた。さらりと「姿勢が染み付いているだけですよ」と笑うところも素敵だ。
そんな姿月さんは、昭和100周年を記念した5月30日開催の『TOKYO FM/BS11 presents 昭和100周年記念 昭和ゴールデンHITS 100 in Orchestra ~宝塚レジェンドスターたちが歌う昭和の名曲!~』に出演。同公演はそうそうたる宝塚歌劇団トップスター経験者が顔を並べるが、中でも姿月さんの人生は特に波乱万丈と言っていいかもしれない。
およそ半世紀ぶりに生まれた新しい組・宙組の初代トップスターを務めたが、2年あまりで退団。すると、結婚とともにバリ島へ移住し、オーストラリア・ケアンズでの暮らしも経験した。
宝塚時代から伸びやかな抜群の歌唱力でファンを魅了し、海外生活を経て2007年に帰国してからも表舞台で歌い続ける──姿月さんの人生に欠かせない“歌”に触れた原点は何なのだろうか。
「生まれたばかりでまだ喋れない時に親が子守唄を歌ってくれたり、学校の校歌を歌ったり……そういう体験が、誰にでもある音楽の原点だと思うんです。私だけではなく全人類がそうだと思いますが、人間って、動物や魚とは違って音をちゃんと歌にできる唯一の生き物です。だから特に意識しなくても、耳に入ってくる音すべてが、私の音楽の体験になってきました」