大学在学中の1966年、第7期東宝ニューフェイスに合格し、東宝俳優養成所に入所。1968年にフリーとなり、翌年に時代劇『無用ノ介』(日本テレビ系)の主役に抜擢される。同年、新国劇入りし、映画では東映と契約を結ぶと以後、多くの任侠映画、時代劇などに出演してきた伊吹吾郎。彼のTHE CHANGEに迫るーー。【第2回/全2回】
東宝俳優養成所には東宝の重役が芝居をチェックする「試演会」というのがあって、それで今後の道筋が決まるんです。サボってばかりの僕は養成所で「おまえなんか、役がもらえないぞ」と言われていたのですが、試演会の演出家は僕の素行なんか知らないから(笑)、芝居を見て「伊吹くん、試演会の主役は君がやりなさい」と劣等生の僕を抜擢してくれたんですよ。その結果、菊田一夫さんの「東宝現代劇」に入って、舞台劇をやっていくことになります。
結局、2年後に東宝をやめて、いろいろなオーディションを受けるようになるのですが、レッスンをサボっていた罰か、ことごとく落ちました(笑)。和泉雅子さん主演ドラマのオーディションでは最終審査までいきましたが、それもダメでした。
でも、結果的には落ちてよかったのかも。なぜなら、次に『無用ノ介』(日本テレビ系)の主演のオーディションに合格したからです。
さいとう・たかを先生の劇画を映像化した作品で、美空ひばりさんが主題歌を歌い、監督が巨匠・内田吐夢さん。話題満載の作品でした。東宝で現代劇をやっていた23歳の僕は、時代劇のことは何も分かりませんでした。あのとき、内田監督から時代劇の所作を一つ一つ教えていただいたことが、今では大きな財産となっています。
その後、舞台では新国劇、映画では東映と契約しました。新国劇では島田正吾さんから芝居を学び、東映では任侠映画や時代劇に出演し、若山富三郎さん、鶴田浩二さん、高倉健さんといった方々と共演させていただきました。