結婚生活と仕事……迫られた選択「どうしたものかと頭を抱えました」
国税局時代に出会った男性と結婚をしたのは、26歳の時。主婦業と女優業を両立させつつ多忙な日々を送っていたが、あるときピンチが訪れる。
「1994年の夏に、夫がニューヨークへ転勤することになって、妻である私が行かないという選択肢はありませんでした。ところが私は翌年のお正月に初舞台が決まっていて、すでにポスターも撮り終わっていたんです。お稽古なども考えると、年末年始にかけて2ヶ月ほど日本に帰らないといけないのですが、この時期のアメリカは1年のうちでもっともパーティーが多いシーズン。どうしたものかと頭を抱えました」
欧米ではパーティーなどに夫婦で出席するのは当たり前。夫に相談すると「そんな時期にひとりで日本に帰るなんて言語道断」と一蹴されてしまい、では舞台を降りるしかないかと先輩俳優に相談すると「ポスターまで撮った舞台を私的な理由で降りるということは、女優として今後の仕事に影響すると覚悟した方がいいわよ」と釘を刺されてしまい、どうするか決められないまま渡米した。
「この頃までに、すでに女優としてかなりの数の作品に出演させてもらっていたけれど、ちゃんと演技の勉強をしたことがなかったんです。そこで、せっかくニューヨークに住むことになったのだからと、演劇学校へ通うことにしたんです」
世界中から集まってきた俳優の卵たちと一緒にダンスや歌を習い、演技のレッスンを受けることは、紅葉にとって新鮮で刺激的だった。