AI普及の先にある未来「人間を完全に代替するAIが普及してしまったら、経済そのものが崩壊します」
──出版業界は特にAIへの代替が危惧されますが、人類はAIに仕事を奪われる未来を恐れる必要はないと。
「そもそも、人間を完全に代替するAIが普及してしまったら、経済そのものが崩壊します。ある企業がAIを導入して全社員の50%を解雇すれば、短期的には利益率が上がるでしょう。これにライバル企業も追随すると思います。
では、そのAIが作った製品やサービスを、一体誰が買うのでしょうか? 街に溢れた失業者が買えるわけがありません。『ならベーシックインカムを配ればいい』などと言う人もいますが……ありえない。
私たちはコロナ禍の現金給付で、ベーシックインカムを社会実験としてすでに経験しました。結果は、今のような悪性のインフレを引き起こしただけです」
──歴史を振り返ると、産業革命では機械化で仕事を奪われた労働者たちが、機械の打ち壊し運動を起こしましたよね。ただ、AIはネットワーク上のサービスなので──。
「いや、データセンターを壊すかも(笑)。人間をナメちゃいけませんよ(笑)。
そうなると、企業側はロボットアーミーみたいなものを作ってサーバーを守るかもしれない。そんなディストピアな未来の可能性もゼロではないでしょう」
著作権の問題や情報の正確性など、AIの使い方は昨今の大きな課題だ。人間がAIに使われ、互いに対立する未来もSFの話ではなくなっているのかもしれない。
次回は“対立”に関して、昨今広がりを見せる外国人嫌悪(ゼノフォビア)について、トルコ出身の視点から語ってもらった。
(つづく)