日本で広がる排外主義は「『アテンション・エコノミー』が生み出す歪んだ商売」
──社会の閉塞感や不満の矛先が、区別が分かりやすいインバウンドや外国人労働者に向かっているとも言われています。SNSでは過激な言論や動画がウケて、政治の分野でも排外的な主張が一定の支持を得ていますよね。
「日本における外国人排斥や反移民のような過激な動きは、非常にアーティフィシャル(人工的につくられたもの)だと感じます。アメリカの反移民は歴史的な背景を含めて根深いものがありますが、日本の場合は思想というよりもただの“流れ”で、単なるネット上のトレンドや“ビジネス”に過ぎません。
これは元を辿れば、アメリカにおけるトランプ主義の台頭が日本に輸入され、『SNS上で外国人を叩くと数字が稼げる』『儲かる』と広まってしまったことが原因です。特にイーロン・マスクがTwitterを買収してXにして以降、彼のイデオロギーやアルゴリズムの影響でさらに加速しました」
──たしかに、アメリカは移民国家です。
「冷静に考えてみてください。日本には、アメリカほど大量の移民がいるわけではありません。外国人は投票権を持っていないから日本の政治を左右するような影響力もないし、日本人の仕事を奪っているわけでもない。
むしろ彼らは、日本人がやりたがらない仕事や、人手不足のところに来ています。アメリカのように“移民に仕事を取られて給料が下がった”という問題は起こり得ないし、構造が全然違います。
それなのに、ネット上で『外国人が地べたに座り込んでいた!』と些細なことを大騒ぎして叩く──これらはすべて『アテンション・エコノミー』(情報の質よりも注目度が価値を生む仕組み)が生み出す歪んだ商売で、インフルエンサーや迷惑系YouTuberが注目を集めるために過激に煽っているだけです。
彼らはもし明日『環境保護が儲かる』となればそっちに行くでしょうし、トランプ主義がアメリカで後退すれば、日本でも自然と消えていくでしょう」