外国人叩きは日本の産業にもダメージ「オンラインニュースを運営する出版社も首を絞める」

──インフルエンサーや迷惑系YouTuberだけでなく、オンラインニュースも外国人記事を量産している会社が少なくありません。

「まさにその通りです。そうした安易で不誠実な記事に、“ご褒美”としてPVと広告収入を与えてしまうシステム自体が間違っています。そんな経済や社会にしてはいけません。
 さらに問題なのは、こうした一部の過激な声がオンラインニュースやSNSを通じて世界中に拡散されることで、日本が長年築いてきた“ホスピタリティが高く、親切で丁寧な国”という素晴らしいブランドイメージに傷をつけてしまうことです。
 そうなればアニメや漫画といったソフトパワーや産業にもダメージになりますし、オンラインニュースを運営する出版社も首を絞めるでしょう」

エミン・ユルマズ 撮影/松野葉子

 SNSといえば、エミン氏は5月19日、首相官邸Xの「日本の経済政策について専門家に聞きました」というショート動画に出演した。当時の裏話を聞いてみると……。

──あれはどのような経緯でオファーが来たのでしょうか。広報的な役割に使われず、耳の痛いアドバイスも送れましたか?

「現在、政府はSNSの発信に力を入れているということで呼ばれました。私の言ったことも全部そのまま流していましたよ。ただ、高市政権や日銀の金融政策ついては聞かれなかったので、聞かれていたら『金利はもっと上げるべきです』と言ったと思います」

──動画では高市政権の経済政策について、“積極財政で国内投資を促す”という方針を「良い流れ」などと評価されていました。

「積極財政の名のもとにバラマキが行われるのであればそれは同意しませんが、“戦略的な分野を制定し、政府主導で積極的な投資や補助金を出し、規制緩和を行う”という方針には、基本的に賛成です。『今、何を1番してほしいですか?』と聞かれたのですが、『規制緩和』だと答えました。日本はよりグローバルな製造業と金融のハブになる必要があります。
 そのためには、外国人が日本国内に直接投資をしやすい環境を整えなければなりません。単にインバウンドとしてお金を落としてもらうだけでなく、工場やデータセンターを建てたり、AI企業を設立したり、そういったものをもっと楽にできるようにしてほしいです」

 持ち前の知見から、日本をより良くするための言葉を紡ぎ出すエミンさん。ラストとなる次回は、SNSやYouTube、執筆活動など積極的に発信する原動力に迫る。

(つづく)