「ネタもプレゼンもいい意味での“裏切り”が必要」

――2022年4月に入所した松竹芸能の養成所でコンビ「イエスマン」を結成。翌年、松竹芸能養成所生ライブ観客投票1位になって正式にプロデビューされた。ネタ作りにはやはり官僚やコンサルの経験が役立っていますか?

 お笑いの世界も、入ってみてよくよく分かったんですけど、とんでもないレッドオーシャンなわけです。普通にやっていたのではとても敵わない。自分の人生を振り返って、強みを軸にして芸風を作っていかないと、どうにもならないんですよね。それで、私の場合は競合相手が少ない官僚経験を軸にしてやっている。スーツやヘアスタイルなどの見た目も、世間一般のみなさんがイメージする官僚っぽさを意識しています。「なんか嫌なヤツ来た」みたいな感じ。なにより「元官僚芸人まつもと」という名前でやらせてもらってますから、国家公務員の経験は今のところ最大の武器だと思っています。

 ネタ自体はわりとコンサルのプレゼンに近いところがありますね。ネタもプレゼンもいい意味での“裏切り”が必要なんですよ。戦略コンサルのプロジェクトは非常に単価が高いので、期待値を上回る驚きがないと、すぐに切られてしまう。前振りから始まり、相手の反応を想定して、驚きをどこで入れるかというところまで緻密に計算する必要があります。

 お笑いに関しても、ただ「ウケた」「ウケなかった」で終わるのではなく、ちゃんとPDCAをグルグル回さないといけないし、反応が悪ければ別のアプローチを構築してみるという試行錯誤の繰り返しです。

「元官僚芸人まつもと」松本昌平さん 撮影/有坂政晴