1995年にピン芸人としてデビューした永野。「ゴッホとピカソに捧げる歌」などのシュールなネタで注目を集める。映画・ロックフリークとしても知られ、2025年公開の初監督映画『MAD MASK』が、国際映画祭で賞を獲得した彼のTHE CHANGEとはーー。【第1回/全2回】

永野 撮影/イシワタフミアキ

 お陰さまで、去年公開された、僕の初監督映画『MAD MASK』が、国際映画祭で賞を獲りました。

 今年の5月にブラジルで行われた、第22回ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭で、ミッドナイト部門最優秀作品賞に選ばれたんです。最初にこの話を聞いたとき、「ポルト・アレグレってどこの国だ? どこかの町興しの映画祭だろ」ぐらいにしか思っていなかった。でも、このことを俳優の斉藤工くんに話したら「何を言ってるんですか。ラテン・アメリカで最大のジャンル映画祭ですよ」って言われて、それで改めてスゲェんだって実感したんです。

 日本だと「グロい」とか、表面の部分での感想しか聞こえてこないけど、ブラジルの観客は、キャラクターの心理に僕が込めた思いまでちゃんと理解してくれたのが、すごく嬉しかったです。ブラジルの前に、韓国の富川国際ファンタスティック映画祭で上映したときも、賞は獲れなかったものの、こちらの意図を理解した感想をいただいたので、海外のほうがリテラシーは高いんだなぁって思いましたね。

 映画は昔から好きでした。原体験で言うと、最初に劇場で観たのはアニメの『長靴をはいた猫』と、ファンタジー映画の傑作『シンドバッド七回目の航海』でした。「東映まんがまつり」で観た記憶があるのですが、時代が合わないので、リバイバルだったのかも。

 6つ上の兄がいるんですが、『ダーティハリー』シリーズや『マッドマックス』シリーズとかを観せられました。『タクシードライバー』も観たけど、当時は意味がまったく分からなかったなぁ(笑)。