相手の「人」の部分を注視するようにしています

 でも一方で、それ以降、仕事も増えました。このときに思ったのは、「嘘ついてたときより評判良かったな」ってこと。

 実際、本音で話したから話題にもなって、何百万回も再生されているんだから。

 僕自身もやっぱり、相手の「人」の部分を注視するようにしていますね。それは芸人だろうが、歌手だろうが、一般の人だろうが関係なく。今の時代ってテクニックに走る傾向があるけど、やっぱり面白いのは、人柄というか、それこそ「人間力」という部分じゃないですかね。

 例えば、僕はテレビでは、誰かを攻撃するのを求められることが多いんですが、以前、バラエティ『全力!脱力タイムズ』(フジ系)でお笑いトリオ『パンサー』の尾形くんを攻撃し、言い合うくだりがあったんです。尾形くんは「受け」の天才ということもあって、ひたすら汗をかいてしゃべっている瞬間は、彼のムキ出しの人間性が見られて、興奮しますね。

 僕自身も、現場のやりとりで上手く返すことができたら「仕事してるなぁ」っていう実感があって、楽しいです。ヒリヒリした現場の緊張感みたいなのがやっぱり好きなんでしょうね。面倒くせえなぁって思うこともありますけど、ヌルいよりは全然イイですよ。

 安定を望む気持ちも分かります。でも今現在、僕は51歳ですけど、年を取っていくことと落ち着いていくのは同じではないと思っています。毎回、衝撃的なことをやりたいから、安定期には入らないでしょうね。

 たぶん、この後も大御所って言われるふうにはならないはず。

 まあ、そもそも言われたくないですけど(笑)。

永野(ながの)
1974年9月2日生まれ。宮崎県出身。AB型。95年にピン芸人としてデビュー。「ゴッホとピカソに捧げる歌」などのシュールなネタで注目を集める。映画、ロックフリークとしても知られる。2026年5月、初監督映画『MAD MASK』が第22回ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭で、ミッドナイト部門最優秀作品賞を受賞した。

『永野映画CHANNEL』
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