「泣きました」狭い部屋でひとり、目にしたもの

 強い決意とともに上京。しかし、思うように仕事が決まることはなかったという。

「オーディションはいくつも受けたんですけど、落ちてばかりで。不安も大きかったです。もちろん復興途上の故郷の状況も心配でした。でも、(プロ野球の)オリックスが優勝したのをテレビで見たとき、狭い部屋で泣きました。最下位だったチームが、“頑張ろうKOBE”を掲げて闘い、優勝。人間の底力みたいなものを感じ、感動しました。そのオリックスの優勝のみならず、地元で復興に向かう人々もしかり、ゼロから、いえ、マイナスの状態から立ち上がっていこうとする強さを感じることが多かった時期でした。その光を見て、“まだまだこれから!”という思いで奮起しました」

藤原紀香 撮影/冨田望