秋野暢子さんがステージ3の頸部食道がんを公表した2022年7月から、4年が経った。2人に1人ががんになる時代。「自分の主治医は自分」だという秋野さんは、闘病生活を赤裸々にブログで発信し、多くの人を勇気づけてきた。被災地支援などにも積極的な秋野さんの社会貢献にかける思い、そして70歳を前にしたTHE CHANGEとは。【第3回/全3回】
私の命を繋いでくださった医療関係者の皆様には本当に感謝しかありません。闘病を経て何か恩返しできないかなと考えた時に、50歳ぐらいから描きためてきた絵をもし買ってくださる方がいたら、その収益をがんの研究などに寄付させていただこうと思い立ちました。2023年から始めて、今年で4回目です。
社会貢献活動に取り組む契機となったのは、東日本大震災です。「自分は何ができるか」を考え続け、被災地にうかがうなかで、逆境、苦境に立たされても明日を見つめて生きていこうとする人間の生命力に触れ、逆に私のほうが励まされてきました。
その後がんを経験したことで、より「寿命があるうちにできること」を考えるようになりました。「健康寿命」ってありますよね。健康上の問題で日常生活が制限されることなく過ごせる期間のことで、2025年の平均寿命は男性が81.35年、女性は87.33年。一方「健康寿命」は、2022年時点で男性72.57年、女性75.45年とされています。つまり、平均寿命よりも10年ほど短い。
さらにその「健康寿命」の前に、旅行寿命とかグルメ寿命とか、いろいろな“もうできない”という「寿命」が来るわけですよね。だって、行きたいところも食べたいものも、いずれ絶対に、“以前通り”にはいかなくなる。人はそうやって朽ちて死んでいくわけですから。だから、いつかその寿命があるという前提で、それまでに自分がやれることはやっといた方がいいなと思うんです。