「受賞自体で自信がついたかというと、そうではなくて」

──見える世界が一変したというよりは、日常の延長線上で少しずつ前に進んでいった感覚なのでしょうか。

「そうですね、だんだんと“グループの看板がない私にお仕事をくださっている”という状況について、考えることが増えました。例えば、(映画『【推しの子】-The Final Act-』で)日本アカデミー賞新人俳優賞をいただけたことも大きな出来事でしたが、いろいろな偶然や運に助けられたなと思っているので、受賞自体で自信がついたかというと、そうではなくて。
 どちらかというと、受賞を通して、仕事現場でそのことを話題にしていただいたり、ちょっとずつ求められることが大きくなってきたと実感するようになったことで、自信がついていきました。そうした日々の生活のなかで、“いま、ちょっとステージが変わったのかもしれない”と感じていった気がします」

齋藤飛鳥 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/猪股真衣子(TRON) スタイリスト/市野沢祐大(TEN10)

──“ステージが変わる”というのは、“やった!”というような、手ごたえを感じる感覚に近いのでしょうか?

「“やった!”と思えるくらいの手ごたえがあったらいいですが……。なかなか……逆のことが多いかもしれません。“これができなかったな”とか、その場では対応できたように思っても、後から“もっとできたんじゃないかな”と反省してみたり。ただ、周りからの私に対する要求のレベルも上がっているからこそ、自分自身に期待するレベルも上がっていることの証なのかなと思います」