絵は歳をとっても描けるけど、漫画は違う

「まあ、やりきってないからでしょうね(笑)。もう10年ぐらい言ってるんで、聞く人はすでに半笑いになりますけど、やはりやりたいのは漫画ですね。自分の『まんが道』を描きたいんですよね。描くんだったら、あの藤子不二雄A先生の作品を完全に更新しなきゃいけない、塗り替えるくらいのものにしないと意味ないですけど」

 江口寿史の『まんが道』、ぜひとも読んでみたい。近い将来、漫画家復活はあるのだろうか? 

「イラストと漫画って全然違うんです。絵はね、歳とっても描ける気がするんですよ。北斎とかピカソの例もあるし、歳とってからの絵が良いとかいうのがざらにある。漫画っていうのはやっぱり若い人の文化だと思うよね、まず体力が絶対的に必要な仕事だし。

 でも、そこも更新しないとね。若さはなくなったけど、若い頃だと描けなかった漫画も描けるかもしれない。今の体力でやれる方法もあるかもしれない。まあ、それもあと5年ぐらいのうちにやらないと完全にやれなくなるので。

 絵で、なんか巨匠だとかそんなふうに言われても、そういうのはあんまり興味ないし、まあ言われてもいいですけど、言われるんだったらもうちょっと歳とってからでいいやって。それは完全に漫画をあきらめてからやるわ、みたいな。なんか最近の自分のインタビューのシメはいつも「漫画描きたい」で、自分でもイヤだし、読んでるファンの人もうんざりだろうから、、、。これ言うの最後にしますけど。漫画描きます、絶対に。」

 アーティスト・江口寿史のこれからの「THE CHANGE」に期待が高まる。