連ドラのレギュラーでは自分を自由に出せる

「平手さんは礼儀正しくすてきな方ですが、お芝居はむき出しで、野生のネコのようなんです。初回に、ドアからピュッと飛び出して走るシーンがあったんですけど、運動神経がよすぎて感動したほどです。それに、ムロさんのアドリブに瞬時に返せるから、すごいなあと思っています」

村川絵梨 撮影/三浦龍司

 共演者のいいところを見出し、言葉のかぎり教えてくれる村川さん。その背景には、元来持ち合わせたポジティブな視線があると同時に、「連ドラのレギュラーが、すごく久しぶりだから」という要因があるという。

ーー連ドラのレギュラーとそうではない場合、どんな違いがあるのでしょう。

「いつも同じメンバーで、ずっと積み上げていくのが楽しいなと思います。ゲスト出演はどこかお邪魔します、というところがありますが、このドラマのようにチームの一員だと、どんどん自分を自由に出せるし、やりやすくなる。しかも、上は戸田恵子さんと酒向さんが60代で、下が10代までそれぞれの世代がまんべんなくいるし、性別もバランスがいい。とても楽しいです」

「やっと予告が追いついてきたくらい、ギリギリで撮影してる(笑)」と臨場感たっぷりな舞台裏を明かしてくれた村川さんの目に映るドラマ制作の現場は、それぞれの細やかな熱意が随所で光る、観る者の心を掴む仕掛けがたっぷり散りばめられているようだ。どのセリフもセットも見逃せず、今日から見る目が変わるかもしれない。

■村川絵梨(むらかわ・えり)
2002年、ユニット「BOYSTYLE」のメンバーとして歌手デビューしたのち、2004年に映画「ロード88 出会い路、四国へ」で主演を務め、本格的に俳優業に進出。2005年後期放送のNHK連続テレビ小説『風のハルカ』のヒロインに抜擢される。2008年放送ドラマ『ROOKIES』(TBS系)でマネージャー役を好演。ドラマ、舞台、映画と幅広く活躍している。2023年にはムロツヨシ主演のドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(フジ系)で個性的なやり手弁護士を演じた。