彼との出会いは必然的なタイミングだった

「人生はメリーゴーラウンドで楽しいよっていう歌詞なのだけれど、最後、象牙の椅子に座っていたキングが階段を転がり落ちて、“ほら、あんたも転がり出せば楽しくてたまらないだろう”っていう歌詞。自分の中に流れているロック魂、権力への反発、そういうものが表現できたのは布袋じゃないと出せなかったって思う。だから彼との出会いは必然的なタイミングだったと感じます」

 森さんにとって、こうした流れが作詞家としての次のステージへのステップになったようだ。

「ミカバンドがあって、布袋くんがあって、hide(注:XJAPANギタリスト。森さんは『EYES LOVE YOU』、『50%&50%』を手掛けた。1998年没。享年33)、そしてヒムロック(注:氷室京介)かな。

 詩集『感情の配線』に入っている詩とも似ていると思ってて、いわゆる歌謡曲とは反対のベクトルを持っている、ロックの世界。世間に対してちょっと煽りがあるようなメッセージを持ったところも共通している。僕のなかで一番尖っている部分は、ロックの連中と熱く仕事してきた作品に多いと思う」

 2024年は、森さんにとって作詞家となって48年目。最初の詩集を出してから30年となる。