初めて“これが描きたかった世界だ”っていう歌詞が本当に書けた

「布袋くんが初めて日本語で歌う『GUITARHYTHMⅡ』(1991年発売)という2枚組のアルバムで、半分くらいの歌詞を僕に託してくれました。それが大きかった。初めて“これが描きたかった世界だ”っていう歌詞が本当に書けたんです」

 布袋さんとの出会いは、森さんの意識も変化させたという。

「やっぱり布袋君との出会いが一番の転機だなって思う。彼の作品がなかったら、プロの作詞家と呼ばれていても、自分にとってのアイデンティティとなるような答えを持てないままだったと思います。ここまで長くアーティストとして活動もできなかったんじゃないかな」

 布袋さんの名曲の数々も、森さんとの抜群のコンビネーションで作られた。

「『スリル』のBabyの部分のメロは、僕が作ったんじゃないかな。『バンビーナ』は、布袋くんから全体的なイメージが決まっていて提案があったけれど。『POISON』もある種、切ない不倫の歌なのだけれど、詩的で世界観はロックですよね」

ーー森さんの中で、布袋さんの楽曲の中で思い入れがある曲って、なんでしょうか?

「『GUITARHYTHMⅡ』の楽曲は今でもライブでずっと歌ってくれていて、なかでも『MERRY-GO-ROUND』っていう、ライブで定番の曲があるのだけれど、これはすごく自分が影響を受けてきたロックにつながる曲です」