「このままで良いのか、いけないのか、それが問題だ」
現在65歳。「若さの秘訣」をよく聞かれますが、プライベートではジムに行ったり定期的にスポーツをやるってことは、まったくないです(笑)。せいぜい犬の散歩ぐらい。
そもそも、僕は18歳から舞台をやっていて、3時間ぐらい最初から最後まで大声を出しながら走り回ることをもう50年近くやっているから、これは定期的に運動をやっているのと同じことではないかと思っているんです(笑)。
精神面では、「女の人のことを好きな気持ちを、いつまでもなくさないようにしたい」とかって答えを期待しているかもしれないですが(笑)、もちろん、なかなかそうはいかないですよね。
蜷川さんのライフワークだった『彩の国シェイクスピア・シリーズ』を、今は僕が引き継いで演出に携わっています。このシリーズは一度全37作やり遂げたのですが、今春からまた新たなシリーズとして始まります。
全部で37作あるので、年に1回やったとして、終わる頃は90歳超えなんですけど(笑)、シェイクスピアは僕にとってもライフワークなので、ちょっと頑張りたいですね。
シェイクスピアといえば「To be,or not to be, that is the question」っていう有名なセリフが「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」とよく訳されますが、僕は「このままで良いのか、いけないのか、それが問題だ」っていうのが一番合っていると思うんです。
それが今の僕の人生も表していると思うんですよ。もちろん舞台以外にも、これからもドラマや映画を大事にしていきたいと思っていて。
実は、自分がどういう俳優人生を送るのか、興味があるところなんです。まだ「若作りしてでもモテたい」という野心や邪心がありますが、どうこれからスイッチしていくかというのも、今後の展望の中にありますね(笑)。
吉田鋼太郎(よしだ・こうたろう)
1959年1月14日、東京都出身。B型。身長174センチ。シェイクスピア・シアター、東京壱組を経て、1997年に演出家・栗田芳宏とともに劇団AUNを結成。その一方で、『半沢直樹』『花子とアン』などのドラマで映像作品にも関わるようになる。1999年に「第6回読売演劇大賞優秀男優賞」、2001年には「第36回紀伊國屋演芸賞個人賞」、2014年には「第64回芸術選奨 演劇部門文科科学大臣賞」をそれぞれ受賞。吉田が演出、上演台本、出演と一人三役をこなす「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd vol. 1 『ハムレット』」は5月7日(火)~26日(日)まで「彩の国さいたま芸術劇場」にて上演。