宝塚時代の「3か月休み」が及ぼした影響
タカラジェンヌから、エンタメ業界の社会人へ「THE CHANGE」を果たした天真さん。「休んでいるのが怖かった」と語る理由は、タカラジェンヌ時代のとある経験が影響しているという。
「宝塚時代は基本、10日以上の休みはありませんでした。劇団にいると、大劇場公演(※)の間の全国ツアーや小劇場公演の選抜から外れると、3か月休みになるんです。公演に参加してなくても、劇団に歌やダンスのレッスンには行くんですけど、控室で同期が“このあと、稽古〇〇時だよね”と話しているのを尻目に、自分はただ家に帰るだけ。
劇団に所属しているのに仕事が3か月もらえないという行き場のなさ、そのときのみじめさみたいなものが、すごく記憶に残っているんですよ。だから10日以上休むと、どうしてもそれがよみがえって、気持ち的にあんまり長く休めない感じがあるんです……」
エンタメ企業の会社員を経て、フリーランスとして独立した天真さん。現在は演者として舞台に参加するほか、脚本やエッセイの執筆、エンターテイナーとして自身のイベント開催など、天真さんが手掛ける仕事はかなり幅広い。
「と言いながら、最近は“おはよう”の次に“休みてぇ~”って言ってる気がします(笑)。でも、そう思うくらいお仕事をいただけている今の状況が一番幸せなのかも」と話す天真さんの笑顔からは、忙しいが充実した生活を送っていることが伝わってきた。