「おじさん役」の重要性に気づいた瞬間
入団当初はもんもんとしていた天真さんだが、「脇役を目指せばライバルが少ないのでは」と気づいたことから、徐々に脇役としてその才能を花開かせてゆく。
「今からトップスターを目指すのはあまりにも時間がかかる。舞台で両親にすら私がどこに出ているか見つけてもらえず、選抜からも外れ、活動する場すらない……。このままだと自分は誰の目に触れることもなく辞めるしかないのかなと思いました。そのときは本当に辛かった。本当にこのままでいいの?と自問自答したときに、“自分が宝塚のステージに立っていたという証を残したい”と思いました。どうしたら、と考えているなか、ふとトップさん以外にもお芝居のなかでとても重要なポジションを担っている役があることに気づいたんです。それが“おじさん役”だったんです。