若手俳優とコミュニケーションをとる際に気を付けていること

 泰山の書生・田中丸一郎太を演じているのは、なにわ男子大橋和也。30歳以上年下の後輩俳優だけに、面倒を見ているのかと思いきや……。

「大橋くんのほうが、オレのことを守ってくれている感じがしますね。例えば、オレが現場で煮詰まっていると、さりげなく側に来てくれて、練習相手になってくれたりするの。とても優しい人ですよ。自分の方こそ、これからアジアツアーがあったりして、ものすごく忙しいのにね。
 あのちゃんも、曲を作って、レコーディングして、モデルやタレントとしての仕事があって、休む暇なんてないんじゃないかと思うし、猫田マモル役の山時聡真くんは大学の勉強との両立。でもみんな、そんなことを感じさせず、集中して、思いっきりエネルギーを爆発させている。すごく刺激になりますね」

 本作に限らず若手俳優との共演が多いが、どの現場でも「エンケンさん」と慕われる遠藤。年齢差を超えてコミュニケーションを取る秘けつはあるのだろうか?

「できるだけ、自分から話しかけるようにしていますね。オレの場合は、まず、この恐い顔がハンデになってるから、若い人のほうから話しかけるのは勇気がいると思うんだよね(笑)。だから、ニッコリ笑って“よろしくね!”と言うと、多少は恐くないんじゃないかと……。この仕事に限らず、年上の方から話しかけるのは大事だと思いますね」

若手とベテランの潤滑油となっているもうひとりは、前作から引き続き内閣官房長官・狩屋を演じている金田明夫。役柄として総理を支えるだけではなく、撮影現場でも大いに支えてくれているという。

「とにかくよくしゃべる(笑)。話題が豊富だし、おもしろいから若手たちも一緒になってワイワイガヤガヤやってますよ。だからみんな現場に来るのが楽しいって。オレ自身も一番しゃべってるのが金田さん。で、ちょっと金田さんのトークに疲れたら(笑)、若手のところに行って癒やされる。いいバランスだと思いますね」

遠藤憲一 撮影/冨田望

遠藤憲一(えんどう・けんいち)
1961年6月28日生まれ、東京都出身。1983年にドラマ『壬生の恋歌』(NHK)でデビューし、2009年に『湯けむりスナイパー』(テレビ東京系)で連ドラ初主演。俳優、声優、ナレーター、脚本家として活躍している。主な出演作は、ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)、『私のおじさん〜WATAOJI〜』(テレビ朝日系)、『バイプレイヤーズ』シリーズ(テレビ東京系)、『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』(フジテレビ系)、『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)、映画『赤羽骨子のボディガード』(2024)『スオミの話をしよう』(2024)など多数。

ドラマ『民王R Inspired by 池井戸潤』
2015年に遠藤憲一・菅田将暉のW主演で放送された、池井戸潤原作のドラマ『民王』。前作では、現職総理大臣とその息子の心と身体が入れ替わったが、今回、総理大臣・武藤泰山と入れ替わるのは、なんと全国民!

毎週火曜 よる9時〜 テレビ朝日系で放送中
出演:遠藤憲一、大橋和也、あの、山時聡真、満島真之介、山内圭哉、溝端淳平、金田明夫、岸部一徳 ほか