『暴れん坊将軍III』に大抜てきでデビュー。芸能界に大切なのは“人付き合い力”
──“渦中”といえば、『カーリングの神様』は“チーム”もキーワードのひとつです。高島さんが言われた通り、映画やドラマ作りもまさにチーム作業です。現場、現場で、チームを作り上げていくわけですが、高島さんはデビュー作が『暴れん坊将軍III』ですね。
「『暴れん坊将軍』のときは、私がデビューしたときにはパート3でしたから、もう完全にチームが出来上がっていましたので、チームを作っていく努力ではなく、早くそこになじむ努力でした。チームワーク、ひいては仲良し力、人付き合い力に関して言うなら、どこにいても必要とされるものだし、それができない人は、特にこの業界には入りにくいんじゃないかと思います」
──みなさん、作品ごとにチームを組むわけですし。
「撮影現場だけでなく、こうした宣伝にしてもそうですよね。だってそれこそ今、こうして初めてお会いしたのに、友達みたいに一緒にお話してますよね」
──そうですね(笑)。
「それができない人は、たぶんこの業界は合わないと思います」
──ただ、高島さんも、学生時代は内気だったと聞きますけど。
「学生時代はそうでしたね」
──どう克服していったのでしょうか。
「社会人になってから、いや、アルバイトしてからですかね。そこで社会人の方たちと出会うようになって、初めて自己主張ができるようになっていったのだと思います。学生のうちは、親の援助や保護のもとで学校に行っているので、自分らしさもなかなか出てきませんが、やっと自分で稼げるようになって、初めてチームワークの必要性を感じたり、ここで自分が溶け込んでいかないと“損だな”という学びがあったり。そこから、カーレースの場に行ったりして、頑張れる場も経験して、克服していったのだと思います」
──ありがとうございます。ちなみに初めてのアルバイト代で買ったものは?
「好きなものを思いっきり食べました(笑)。あと友達におごったかな。昔から食べるのが大好きで。子どものころ、そんなに裕福ではなかったので。と言うと、“いつの時代の話だ”と言われるんですけど、でもそういう時代ですよ。
高級料理とかは親に悪くてお願いできなかったですし、お菓子なんかでも、“自分で買ったものを全部食べたい!”という憧れがありました。だから、好きなものを買って食べました!」
清々しく答える高島さんが、なんだか妙にステキだ。
高島礼子(たかしま・れいこ)
1964年、7月25日生まれ、神奈川県出身。’88年にCMに出演したのを契機に、テレビ時代劇『暴れん坊将軍Ⅲ』で本格的に俳優デビュー。’93年、初主演映画『さまよえる脳髄』で注目を集める。その後、映画『陽炎』シリーズで主演、また『極道の妻たち』シリーズの4代目に抜てきされて代表作となる。2001年、『長崎ぶらぶら節』(2000)で第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。ほか主な出演作にドラマ『大奥~第一章~』(フジテレビ系)『弁護士のくず』(TBS系)、NHK放送90年大河ファンタジー『精霊の守り人』、映画『おみおくり』(2018)『祈り―幻に長崎を想う刻―』(2021)など。最新出演作に『カーリングの神様』。
〇ヘアメイク 堀 ちほ〔MARVEE〕
〇スタイリスト 村井緑
○衣装:YOHJI YAMAMOTO
○アクセサリー:ABISTE
映画『カーリングの神様』
出演:本田望結
長澤樹、泉智奈津、白倉碧空/川口ゆりな
秋山ゆずき、山崎竜太郎、内浦純一
柄本明、六角精児、田中麗奈、高島礼子
監督・脚本:本木克英
主題歌:「Sweaty Smell」STU48
配給:ラビットハウス