現在、35歳の岡田将生。2025年はデビューから19年目になるが、役者として脂が乗ってきたことは、このところの活躍から誰の目にも明らかである。映画『ゆきてかへらぬ』では文芸評論家・小林秀雄役に挑んだ。タッグを組んだのは、『探偵物語』『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』の名匠であり、大学理事長の顔も持つ根岸吉太郎監督。邦画界を背負っていく岡田と、1974年に映画界に飛び込み、後進の育成も続ける監督が、THE CHANGEを語る――。【第3回/全4回】

セットアップの紫のスーツをさらりと着こなす岡田さん。足元にはベースの黒地に緑や紫の模様が複雑に入り込んだタッセルローファー。こちらもやはりとてもよく似合う。
――岡田さん、去年はお友達(アーティスト・よねもとよね)とクリエイティブブランド「IN MY DEN」(インマイデン)を立ち上げましたが、何か変化はありましたか?
「あれは計画的にやっていこうと言って立ち上げたというわけではないんです。彼が中学時代の友達で、彼の絵が僕は好きで、もっといろんな人に知ってもらいたいと思ったのがきっかけです」
――それでも俳優業とはまったく異なることなので、新鮮だったのでは。
「そうですね。ブランドという認識はないのですが、Tシャツにしたり帽子にしたりという形でやりました。確かに普段とまったく違う作業なので、新鮮でしたし楽しい時間でした」