吉本新喜劇の看板女優として30年以上活躍を続ける島田珠代さん。強烈なキャラクターと吹っ切った動きによるギャグは世代を超えて愛されている。生み出されるギャグに隠された思い、そして新しい舞台への挑戦、それぞれを聞いた。【第1回/全3回】
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2月に上演された『舞台小説 ついてる!~めぐりめぐる、おむすび~』に出演した島田珠代さん。「関西の演劇界を元気にしたいプロジェクト」と題されたこの作品は、“新喜劇の島田珠代”ではなく、一役者としての島田珠代が求められる新しい挑戦となる。
「私にとっての大きな勉強の場だと思っています。演出家の福谷(佳祐)さんからは“新喜劇でのギャグはもちろん、新喜劇の立ち振る舞い全てを取り上げます”というお話をいただいたんです。驚きつつも私はすごく嬉しかったんですよね。普段、どうしても求められるものが“新喜劇の島田珠代”としての立ち位置だったので、そうではない部分で呼んでいただけたというのはありがたいことだなと心から思いました」
強烈なキャラクターで新喜劇の中心として活躍する珠代さんだけに、求められるものは常に新喜劇的なものに。
「やっぱり、普段ドラマに呼ばれたとしても、“いつもの新喜劇のキャラでお願いします”ってなってしまうんですよね。もちろんそれはありがたいことなんですけど、他もやってみたいという本音はあって。だから今回すごくうれしいことだなと思いました。
福谷さんによると、私、お芝居をしながら全部顔をお客さんに向けたり、立ち振る舞いが喜劇なんですって。だからそれを一から教えてくださってるのが今回の稽古です。“ここは相手をちゃんと見なさい”、“相手の芝居をしっかり受けて”とか。基本なんですけど、一つずつ学んでる感じですね」