1997年、NHK朝の連続テレビ小説『あぐり』のヒロインとしてデビュー。フジテレビ『WITH LOVE』、大河ドラマ『利家とまつ』など着実にキャリアを積み重ねる田中さんもその道筋では戸惑いや壁も感じたという。不安の時代を乗り越えた「CHANGE」を聞いた。【第3回/全4回】

2003年4月3日。NHKBSでドラマ『冬のソナタ』の放送がスタートした。田中美里さんはチェ・ジウさん演じるチョン・ユジンの声を担当することになる。
「私自身、吹き替えのお仕事は初めてで、一から学ぶ現場でした。最初にビデオテープと台本が渡されたんですけど、このビデオで私はどうすればいいの?みたいな感じでしたね。本当はその映像でチェックしなきゃいけないんですけど、わからないまま初日の収録に行く、みたいな感じでした。でも皆さん優しくて、ブースでベテランの声優さんたちに一つ一つ教えていただきながらの収録でした」
のちにテレビ史に残る大ヒット作になる『冬ソナ』。でも、スタート時は世間から注目されていた感覚はなかったそう。
「最初の頃はまだ声優さんたちも“韓流ドラマとは?”ぐらいの感じで、世の中的にもそこまで注目はされていなかったと思います。ただ、回が進むにつれて、“これ面白いね”というふうに声優さんたちもハマっていくのがわかったし、放送が始まると、ドラマの反響がどんどん大きくなってるのは感じました。