海外セミナーという形でオクラホマ大学に

――充実した大学生活を送られたようですね。

「もともと子どものころは学校の教師になりたいという夢があったのですが、もうひとつの憧れとして、同世代の子たちと同じように大学生活を過ごしたいという思いがありました。そのひとつとして海外留学をしてみたかった。それで実際に、海外セミナーという形でオクラホマ大学に行かせてもらいました」

――どうでしたか?

「2か月くらいでしたけど、寮に入って、後半はホームステイをさせてもらって大学に通いました。海外の大学生ってこういう感じなんだなと実際に体験できて、とても楽しかったです」

――具体的なエピソードを何か教えてください。学食がこんなだったとか。

「オクラホマ大学って、街全体が大学といった感じなんです。学校の中にバスが走っていて、逆に言うと、バスで移動しないといけないくらいに大学が広い。その中にレストランやスポーツ施設もあるし、いろんなものがあるんです」

――学食どころのサービスじゃないですね。

「そうなんです。こんなにスケールが違うのかと、まずビックリしました。カレッジではなく、ユニバーシティという総合大学の大きさに圧倒されました。それからもちろん、学生さんたちとの交流も楽しかったです。学生寮ってこんな感じなんだとか。夜遅くなって厨房の裏口から帰ってきたりすると、みんな厨房にいて、チーズの上にさらに違うチーズを乗っけて食べていたりするんです(笑)。部屋はルームシェア。すごくいい思い出になりました」

――大学時代に関西弁をマスターすればお芝居に生かせると思ったとお話がありましたが、海外セミナーでは英語を学んだかと。これまでに英語でのお芝居は。

「やったことはありません。なかなかハードルが高いですね。でもオファーがあれば、幅を広げるという意味でも挑戦してみたい気持ちはあります。常に何かを吸収したり、学んでいかないと、置いていかれてしまうかなと思うので、機会があればいろんなことにチャレンジすることは大事なことなのではないかと思っています」

 小林さんの英語でも芝居も、ぜひとも!見てみたい。

小林綾子(こばやし・あやこ)
1972年8月11日生まれ、東京都出身。5歳のころより芸能活動を開始し、1983年にNHK連続テレビ小説『おしん』の主人公の少女時代を演じて、一躍、国内のみならず、海外でも知られる存在となる。『おしん』は実に80カ国以上の海外で放送されている。ほか主な出演作に大河ドラマ『いのち』、ドラマ『剣客商売』シリーズ、『渡る世間は鬼ばかり』(第4シリーズ)、連続テレビ小説『なつぞら』、映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』など。最新出演舞台は向田邦子作、石井ふく子演出の『花嫁 〜娘からの花束〜』。同作には、2012年のドラマ版、2016年の舞台版に続き3度目の出演となる。

●作品情報
松竹創業百三十周年『花嫁 ~娘からの花束~』
作:向田邦子
演出:石井ふく子
出演:久本雅美、羽場裕一、小林綾子、丹羽貞仁、上脇結友、瀬戸摩純、石原舞子
製作:松竹株式会社
公式サイト: https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/mitsukoshi_2506/