銭形に生きる気力がなくなるときが来るとしたら、ルパンがいなくなったとき
今回配信される『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』では、ハードボイルドな銭形が求められていたと思います。いつにも増して執念深くルパンを追い、何度死が目前に迫っても、ルパンを追い続ける。銭形に生きる気力がなくなるときが来るとしたら、ルパンがいなくなったときでしょうね。銭形のすべてのエネルギーの元は、正義感とルパン愛。この2つで生きていると思います。愛、なんですよね、ここまで来たら。
愛ですけど、ルパンの持っている美学と銭形の持っている美学は正反対だと思うので、そういう意味では「ルパンは自分が捕まえるんだ」ということが銭形の生きる糧になっていて、今回の作品ではその辺りが色濃く出ています。そして今作を受けての劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』は、まさに銭形の生きる糧がどうなるのか、という見どころもあるんです。ヒーローによっては、なにかひとつのアイテムがなくなるだけでヘロヘロになりますが、そういう感じです。ルパンなくして、銭形は!?とね。
僕の生きる糧ですか? それは、妻です。これは胸を張って言えますね。妻といる時間が一番楽しいし、妻のために元気でいたい、そのためには健康に気をつけてずっと仕事を続けたい、と思っています。そしてもうひとり、とても大切なのが今年90歳を迎える母です。母と僕はプロ野球の楽天イーグルスが大好きで試合観戦が唯一の趣味。試合終わりにLINEを送り合うのが日課です。どっちが先に送るか、と暗に競っていますが、いつも母のほうがちょっと早いんです。「3連勝だね」には笑顔の顔文字がついて、「今日はいいところがひとつもなかったね」には泣き顔がつく。今日こそ俺のほうが先に送るぞ、と思っても、絶対に母には勝てないんです。
山寺宏一(やまでら こういち)
1961年生まれ、宮城県出身。声優、ナレーター、俳優、タレントとして幅広く活躍。「七色の声を持つ男」との異名を持つ、声色が持ち味。代表作だけでも『新世紀エヴァンゲリオン』(加持リョウジ役)や『ルパン三世』(銭形警部役)などのアニメから、米俳優のジム・キャリーやブラッド・ピットなど、洋画での吹き替えなど、数多くの作品に出演。
『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』
極寒の地、ロビエト連邦で発生した空港爆破テロ。容疑者として浮かび上がったのは、まさ
かのルパン三世。しかし、銭形が追い詰めた“もう1人のルパン”は、無実を主張する。正義を貫く男・銭形は、謎に包まれた“偽ルパン”と対峙することになる――。盗まれたのは おまえ自身か…
6月20日(金)より、下記配信サービス他で配信開始
アニメ放題/FOD/dアニメストア/DMM TV/バンダイチャンネル/Hulu/Lemino/U-NEX-T/WOWOW オンデマンド他
原作:モンキー・パンチ (c)TMS